当時の煌めきの箱庭は
占い師さんやセラピストさん達の活動の場として
3ヶ月契約で場所を貸し出して多い時は12人くらい在籍していました。
接客や経理は店長が担当していて
しょうこさんもパワーストーンや鑑定の仕事をしていて
他の出展者さんも特技や特殊能力を使って仕事をしていました。
自分は店長と交代でカウンターに入って
お客様の話を聞いたり飲み物を作ったり
たまにお守りを買ってくれる人がいるくらいで…
自分に出来る事はなんだろう…と考えてはみたけど
みんなみたいに特技や特殊能力があるわけでもないし
本当に自分だけは役に立っていないな…
そう思えばそう思うほど孤独感が増していって
どうすればいいかわからなくなってしまいました。
悩んでいる内に沖縄に帰ると約束していた期限の日が迫ってきます。
このまま沖縄に帰ったらしょうこさんとは二度と会う事はないだろう…
そんな確信だけはありました。
帰りたくない。
だけど…
この北海道にいれば経済的に彼女を追い込んでいくだけだ。
心のどこかで彼女が
「帰らないで!!」と言ってくれるのを期待して
何度も「沖縄に帰りたい!!」と言ってみたけど
彼女はいつも
「GW前に帰るんでしょ?いつの飛行機のチケット取ればいい?」
と言うだけでした。
やっぱり俺の事嫌いになったんだ…
早く帰って欲しいんだ…
自分なりに頑張ったつもりだったけど
やっぱり全然ダメだったんだ…
ショックで悲しくて
もうこのまま消えてしまいたい…と思いました。
彼女が飛行機チケットの話をするたび
もうどうでもいいと思ってひどい言葉をたくさん言って
何度も喧嘩になりました。
彼女も明らかに怒っているのがわかったし
二人の間は険悪になりました。
見るに見かねた店長が
島ちゃん…本当は帰りたくないんでしょ?
それをちゃんと言わないとしょうこさんには伝わらないと思うよ。
と言ってくれましたが
そんなわけありません。
そんな事わざわざ言わなくてもわかってるはずだし
好きでいてくれてるなら止めてくれるはずです。
それでも
「島ちゃん、正直にいったほうがいいよ。本当は帰りたくないんでしょ?」
としょうこさんの前でも聞いてくるので思わず
「帰りたくないに決まってるよ!!!!」
と言いました。
そしたらしょうこさんが
はぁ…?
しまちゃん帰りたくないの?
帰りたい帰りたいって言ってたから
早く飛行機取らなきゃと思ってたんだけど…
っていうか…帰らなくていいの?
帰らなくてもいいならこっちにいればいいじゃない。
と言いました!!
自分「え…?居てもいいの?」
し「本当にこっちにいたいの?」
自分 「うん…」
し「じゃ、なんでずっと帰りたいって言ってたの?」
自分「引き止めて欲しかったから…」
し 「はぁ?」
あれだけ帰りたいって言われたら
ものすごく帰りたいんだと思ってたんだけど…
この時店長が「良かった〜」と泣き出しました。
店長は
「本当は帰りたくない」という自分の気持ちも知っていて
しょうこさんが
「本人の言葉を最優先にする人」だと言うのも知っていて
二人がどんどんすれ違って行くのをヒヤヒヤしながら見ていたそうです。
結局この後、沖縄に戻らなくても良いことになり
それまでの期間限定のお手伝いから
煌めきの箱庭のマスターとして店に籍を置くことになりました。
続く。
電話番号:011-792-8528(不在時は携帯に転送になります)
受付時間:11:00〜20:00
定休日 : 不定休(ホームページで随時お知らせします)
所在地 : 北海道札幌市北区北29条西4丁目2-1-205 ファミール札幌2階(商業施設内) スペース紹介