第10話　神様が会わせてくれた人

しょうこさんとこのまま会えなくなってしまうかもしれない…

どうしたらいいかわからないし

どうしよう…しか浮かんで来ないけど

彼女との縁だけは絶対に切ってはいけない気がしていました。

大好きという気持ちはもちろんあったけど

神様がくれた最後のチャンスのような気がしていました。

 ちょっと変な話になるかもしれないけど

自分がいた場所は沖縄でも有名なパワースポットで

集落の中には沖縄全土から神ごとをしている人たちが祈りを捧げに集まる場所がいくつもあって

そのひとつの大きなクワディーサーの木ある広場で働いていたのだけど

自分はずっとこの木の下で誰かを待ってなくちゃいけない気がしてました。

この集落に来てから嫌なことやツライ事がたくさんあって

「もう嫌だ！もうここに居たくない！」と思っても

どうしてかはわからないけど

「それでもここから離れてはいけない」

そんな気持ちが湧いてきてなんとかとどまっていました。

本当に不思議な木で、この木の周りだけは綺麗にしていたくて

誰かに言われたわけじゃないけど毎日掃除もしていたら

3年目に彼女が道に迷ってこの広場にやってきました。

彼女が向こうから歩いて来た時

「来たーーーーーーーーーーーっ！！」

と思ったんです。

一目惚れとかそういうのではなくて、ただ

「来たーーーーーーーっっ！」って。

それから彼女との遠距離恋愛がはじまって

愚痴を言うたび「ふーん」「へー」で流されて

「で、島ちゃんはどうしたいの？」って聞かれて

自分の意思なんてなかった事に気づいたり

自分の人生なんてどうせ上手くいかないもんなんだと思っていたのに

絶対無理だと思っていたことも

ちょっとした事でどんどん解決しちゃったり…

 気づいたら自分の作ったものを人が喜んでくれたり

集落の人との関係も良くなったり

雇い主がボーナスまでくれたり…

今までは嫌なことや難しい事があればやめるか逃げるかの人生で

そんな自分の事が情けないと思った事はあったけど

何かを言って揉めるよりはいいと思って生きてきた。

でも、きっとクワディーサーの神様が「もっと強くなりなさい」って

遠い北海道からしょうこさんを連れてきてくれたんだ！！

前にひいたおみくじにも

「救世主は北の空から弓矢に乗ってやってくる」

と書いてあったし神様が会わせてくれた人なんだ！

…

…

…

 よし！！北海道に行こう。

しょうこさんのそばにいってお店を手伝おう。

彼女も手伝うって言ったら喜んでくれるだろうな♪♪

そう思うとワクワクしてきて

沖縄から一生出ることはないだろうなと思っていたのに

2012年11月1日に沖縄から北海道へ行くことになります。