たくさん嘘をついてしまったけど
この出来事をきっかけに売ることへの恐怖心は少し薄れてきて
招福守も上手に結べるようになりました。
しょうこさんが沖縄に来たときにPOPも作ってくれて
招福守も売りはじめました。
こだまちゃんを売る時はあんなに怖かったのに
いざ売れはじめると慣れてきて
招福守は小さいのが600円大きなのは800円。
小さなこだまちゃん3つセット1,000円も作りました。
水牛車にのったお客さんが
「これお兄さんが作ったんですか?器用ですね」
とほめてくれたり、
子供達が「こだまちゃん可愛い〜」と言ってくれたり
「水牛車に乗った記念に」
「沖縄旅行の記念に」
と喜んで買ってくれてとても嬉しかったです。
ある日、水牛車の小屋でお守りを作っていたら
集落の住人が数人やってきて
「島 何してるんだ?」
「男のくせに編みものなんて頭おかしくなったのか?」
「お前いつから女になっだんた?」
そんな風に言われました。
「島が女みたいなおかしな事をはじめた」
噂はあっという間に広がって笑いものみたいになりました。
今考えてみると…
ちょっとからかっただけかもしれません。
冗談で軽い気持ちでふざけて言っただけかもしれません。
でもこの時の自分はそれを聞き流す事は出来ませんでした。
周囲からの言葉を跳ね返す勇気も情熱もありませんでした。
これを売ったお金を貯めて北海道にいきたいけど
こんなことまで言われて平気ではいられない。
作っても売れない日だってあるしそんなに儲かるわけでもない。
頑張ったってこんな風に言われるならやらないほうがいい。
しょうこさんもこんな嫌な目にあってるって言えばわかってくれるだろう。
お金なら違う方法で貯めればいい。
そう思うとなんだかもう全部が面倒になってしまいました。
「なんだか周りから嫌がらせされてるからとりあえず売るのやめるね」
と伝えるとしょうこさんは
「100個売って北海道に行くっていう夢はもういいの?」
と聞いてきました。
嫌な目にあってるって言ってるのにまだこんな事言うなんて
材料費も道具も全部しょうこさんが揃えたものだから
それをもったいないと思ってまだ作れって言うんだな。
しょうこさんは俺の事よりお金の方が大事なんだ。
そんな風に思いました。
この時の自分は彼女がほんとうは自分の将来をすごく考えてくれてた事も気づいていなかったし
目の前の困難を乗り越えるにはどうしたらいいのかなんて考えた事もなかったし
嫌なことがあったら逃げるかやめる
今までずっとそうやって生きてきたから
どうせ頑張ったって邪魔されるならやめたほうがいい。
そう思って作る事も売ることもやめてしまいました。
続く。
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